レストランLyon おすすめレポート(1)

YaWさん
投稿日:2008/03/09
ディナー | 来店シーン:友人・知人と
大正生まれの女性バーテンが作るカクテル。
壁にはアイビーが絡まり、なんとも味のある小さな建物の扉を開くとそこは昭和の風が漂うステキなフレンチレストランバー。以前からこの店の前を通るたび、どんな店なのかとても気になっていました。数年前に初めて「リオン」を訪ねたときの感動は今でもよく覚えています。線香に使われる椨(たぶのき)の一枚板で作られたカウンター、壁にかけられ井伏鱒二の色紙、使い込まれた振り子の壁掛け時計。
その歴史は、昭和26年に開業し、昭和45年に住居だった2、3階を改装し、フレンチレストランとなったという老舗のお店。
10坪ほどのこじんまりとしたお店ですが、2階、3階はテーブルを囲んで食事ができる空間となっています。寒い季節には、オニオングラタンスープが恋しくなり、ついつい足を向けてしまします。とろとろの玉ねぎのスープに大き目のフランスパンがひたひたにつかって出てきます。寒い日のこのスープは命の一滴であります。親子三代にわたってこの味を求めてくる人もいるとか。
総じてどの料理もとても丁寧に作られている印象があります。特に今夜いただいた「車えびのクリームコロッケ」について一言。えびのぶつ切りがクリームソースとからみあって、とろっとしながら食感は楽しむことができます。人数分揚げてもらえるのでシェアして食べるならこのコロッケはお薦めです!正直、これほど美味しいクリームコロッケはそうそう出逢えるものではありません。
そして「リオン」といえば食事の最後に「お茶漬け」か「カレー」を注文できることをご存知だと思います。
実はこの店のカレーは隠れたファンが多くいます。ランチタイムならば、「カレー」だけを食べにきたり、持ち帰りたいといわれる方も多いそうです。大きくきられた牛肉は、スプーンでほろっと簡単に切り分けられるほどやわらかく煮られています。ひと口目は甘みを感じますが次第にぴりっと舌で辛みを感じます。このカレーはほとんど玉ねぎで作っているそうですが、どろっとしたルーは一度食べると病みつきなる味です。
とても静かで大人のお店ですが、お昼は活気があって夜はしっとり過ごすことができる素晴らしいレストランだと思います。
これまで60年近く、大正8年生まれという女性オーナーがカウンターに立たれておられました。88歳のお歳になられ、ここ1年近くはお休みをされていますが、春からはカウンターに立ちたいと意欲満々だそうです。着物でシェーカーを振る姿にまた出会える日は近いはずです。
88
詳細を見る
- 1
- 1/1ページ